#1 要請について。

気に入ったらシェアお願いします!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

よく友達や家族に「あらちゃん(私のあだ名)はインドに何をしに行くの?」って聞かれます。

確かに3年間続けた仕事を退職して「青年海外協力隊」としてどんな活動をするのかって一番最初に疑問に思うことですよね。

同期のブログに紹介されてプレッシャーかけられたので早速書きます!(笑)

コミュニティ開発とは…

私はインドのタミルナードゥ州ホスールという場所に2年間派遣されます。職種は「コミュニティ開発」です。「コミュニティ開発」ってなんだってなりますよね。地域の抱える課題へのアプローチ、一村一品運動、収入格差の改善、改良カマドの普及、井戸の利用調査や改善などありますが、

地域に住む人々とともに、住民が望む生活向上や地域の活性化 に寄与することを目的としています。地域においてフィールド ワーク(調査)を行ったり、住民参加型のワークショップを企 画・運営するなどして、地域の状況や住民のニーズを把握するこ とが出発点となります。 次に、研修やセミナーの実施をしながら、住民たち自身が地域 の資源や様々な課題に気づき、話し合いを通して解決策を探して いくことが重要となります。さらに、実現可能なプロジェクトを 計画・実践し、地域にふさわしい事業と協力支援活動の展望を示 すことも活動の一つとなります。

というようにJICAのホームページではまとめられていますが、あんまりはっきりしてない…他の職種と違い「コミュニティ開発」には「専門性」が重視させれていません。「専門性」よりも「柔軟性」が求められます。もちろん「専門性」はとっても武器になりますがね!

  • 「要請内容」によって活動内容が大きく異なる。
  • 「要請内容」と「地域のニーズ」とのギャップが生じ活動内容が変化する。
  • 問題や課題は常に変化しているために柔軟な対応が必要になる。

こうしたことが「コミュニティ開発」の中では予想されるため、個人的に思うにはっきり言えないんだと思います。青年海外協力隊活動を行う上での基本は、

  1. 課題対応力
  2. 対人対応力
  3. 自己対応力

です。これはコミュニティ開発隊員だけに当てはまることではありません。

また、第2代青年海外協力隊事務局長伴正一は「青年海外協力隊5カ条」としてこのように言っています。

  1. ともに住んで異民族の心を知る。
  2. その住む国を境に日本の姿を見る。
  3. こうして、実践裡に、大いなるもの、国と世界に開眼する。
  4. そのときも、そのあとも、おおらかな夢に生き
  5. 静かなる人間革命に先駆ける。

1~3で言われていることは活動を行うための基本につながると思います。

コミュニティ開発隊員のメリットは、

  • 専門性の低さ・無さ(同時にデメリットでもある)。
  • 専門性という枠組みにとらわれない自由な発想。
  • 援助者の中でも「草の根」の人々に近いポジションで活動できる。

上記に挙げたことです。こんな強みを活かして「現場(コミュニティ)」を「開発」していくのが私たちの職種「コミュニティ開発」です。開発していくための「ツール」として一村一品運動や改良カマドの普及を駆使するわけです。ただし、このツールが本当にそのコミュニティに必要なのかどうか、つまりニーズがあるのかっていうのを現地で相手としっかりと対話や共同作業をし、活動や価値観の共有・理解を一方的な押し付けにしないことが必要です。

相手が求めているものだけがニーズではありません。「相手が自覚していないニーズ」から「弊害が生じることが明らかなニーズ」まで多種多様です。「ニーズ」を見極めるには先に挙げたメリットを活かして、常に変化している現場を見る眼をしっかりと持ちことが大切になっていきますね。

エティック(etic)エミック(emic)という言葉が文化人類学の分野にはあります。前者が「外部者の視点」、後者が「内部の人々が見ている視点」です。現場での活動においては、エミックな視点で物事を捉えることが必要です。まずは私たちが育ってきた「日本」という常識から脱却しないことには課題もニーズも偏った捉え方になってしまいます。

また同時に、全体論的視点(当該の領域の中でのみ諸問題を捉えない。例えば、「社会」とか「文化」とかでまとめられた領域)と相対主義的視点(相手の視点から違いを理解しようとしそれまでの自分の捉え方を見直す、相対化する)も必要になります。これは異文化理解をする上で大切になってくることです。

これらのことは派遣前訓練前に実施されたコミュニティ開発隊員の「技術補完研修」で叩き込まれたことです。とっても大事なことだって私は思ってます。

IMG_181827-3は2015/09/11~2015/09/15の日程で5日間技術補完研修を行いましたが朝から晩まで(夜の部含む)実に充実した5日間でした。

実に画質が悪いですが記念すべき「テキーラの会」発足時の記念すべき写真です。「コミュニティ開発隊員」を「コミュニティ開発」した瞬間でした(笑)

要請内容

さてさて…以下がJICAからの「要請内容」です。つまり私のお仕事内容です!

1. 養蚕の知識や技術を普及するワークショップや研修を行う。
2. 農家の現状やニーズを把握し、農民の組織化を進めるための計画策定や自助グループ形成のための支援を行う。
3. 不定期にCSBや州政府養蚕局の幹部及びほかの地域で同様の活動を進めているJVたちと意見交換し、よりよい普及手法を探る。

……

………養蚕?

繭

これです。これの普及。前職と全く関係なし。要請を見た瞬間は口がぽかーんとしましたね。ははは。

ちなみにCSBってのは「中央蚕糸局(Central Silk Board)」も略称です。聞いたことある人なんていませんよね。要請で私も初めて知りましたから。

Screenshot of www.csb.gov.in

CSB » Central Silk Board

まとめられてないのでシンプルに言うと私は「養蚕の普及活動」を2年間インドで行います!

配属先もこのCSBになります。中央蚕糸局なので「行政」の職場のイメージが近いんじゃないですかね。

まとめ

少しは私の仕事がわかりましたかね?っていうか読んでもらって「コミュニティ開発」について少しでも理解や意見や興味が出てくればと思います。

人と人をつなげる手助けがしたい」

これは同期隊員が載った新聞記事に書かれていた言葉です。大好きな言葉です。この想いは絶対に忘れることなく活動に活かしたいと思います。「コミュニティ開発」ってこういうことだと思うんだよなー。

配属先についてはまたしっかりとまとめて書きたいです。養蚕について読んだ本も紹介したいしね。では!

記事を書いている人


名前:あらちゃん
年齢:28歳
出身地:静岡県
静岡県立大学国際関係学部卒。若者支援団体「若者エンパワメント委員会(YEC)」OB。エンパワメントの重要性を認識。
卒業後は人材派遣会社(東証一部上場)にて、製造工場での現場研修の後、営業・採用・労務管理として3年間勤務。青年海外協力隊へ応募し登録から合格へ。27年度3次隊。駒ヶ根訓練所。インドにて養蚕普及活動に携わる予定。

気に入ったらシェアお願いします!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする