#1 養蚕農家訪問記

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ワナッカム!

養蚕農家(Cluster)への訪問記録です。派遣期間でこの記録がどれだけたまるか楽しみです。

担当するクラスター

私が担当するCluster(クラスター:村落)は二つ。

「BERIGAI」と「BAGALUR」という村落。二つのクラスターともにカルナタカ州とタミルナードゥ州の州境に位置しています。私の任地からはそれぞれ車で1時間半〜2時間くらい。

以前の記事では「KODIYARAM」というクラスターも見る予定でしたが現状は上記2つのクラスターを担当します。

BERIGAIには約200、BAGALURには約50の養蚕農家が存在しています。養蚕農家の中には養蚕だけでなくトマト・キュウリ・ラギ(シコクビエ)などの農作や乳牛・鶏といった畜産を兼業している養蚕農家もいます。

二つのクラスターは州境に位置していることもありタミル語・カンナダ語・農家によってはテルグ語の3言語が使われており、現時点で英語を話すことのできる農家には出会っていません。

またタミルナードゥ州は養蚕を行う気候に適しており(南インドの中で)、年間を通じて養蚕を行える環境にあります。

*4,5月の猛暑と12月から2月の気温が下がる時期には影響(カイコや桑の病気、水不足等)あり。昨年は繭価格が暴落し養蚕農家に大きな影響がありました。

ヒアリングを通じての情報では、年間で平均10回程度は繭の収穫が行えていますね。養蚕農家の中には他州から養蚕のために移住している農家もいるくらいです。

 BERIGAI(6/22・6/30)

BERIGAIにある養蚕農家への訪問記録(6/22・6/30)です。

クラスターに初訪問した際の反省も踏まえ、農家への質問リストも用意しました。

質問リストの内容は

  • 「名前」
  • 「家族構成」
  • 「年収」
  • 「Workerの給料」
  • 「1度の収穫にかかるコスト」
  • 「現状抱えている問題3つ」
  • 「SHGを知っているかどうか」
  • 「SHGに興味があるか」

などなど。

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6/22に訪問した農家の家周辺の風景①

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風景②

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Rearing house。家とは別。

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Chawki。2nd stageでした。ベッドは新聞紙。

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Rearing house外観。

質問ばかりでは印象が薄いのと、養蚕農家の顔と名前もしっかり覚えたい、私のことも覚えていて欲しいので訪問時には必ず養蚕農家の記念写真を撮っています。

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6/22に訪問した養蚕農家家族の記念写真

非常に見づらいですが英語とカタカナで名前書いてあります。書いた紙はプレゼントしてます。捨てられてないか心配です(笑)

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桑畑。

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Bamboo chandrike。Plastic netも使っていました。

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6/30に訪問した農家の桑畑。

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綺麗に整備されてます。

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外では洗濯をちょうどしていました。

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病気になっている桑。害虫が原因。

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Rearing house。こちらも家とは別。

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Bamboo chandrike。

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養蚕以外でトマト・きゅうりを栽培。

6/22と6/30で訪問した養蚕農家はRearing houseはレンタルではなく所有しているものでした。州政府からの援助を受けて建ててはいますが費用コストはかなりかかるので…それが全て原因というわけではないですが、農家によって借金がある農家もいましたね。銀行や近隣の有力者?からなど借先は様々。養蚕とトマトなどの農作を行っている農家もいました。トマトは一箱で400Rsほどでマーケットで売れるそうです。ちなみに下の写真に写っている男性農家は兄弟です。忙しい時は兄弟家族に手伝ってもらっているとのこと。

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6/30 記念写真①

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6/30 記念写真②

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6/30 記念写真③

ヒアリング後の養蚕農家集合写真

6/30 養蚕農家集合写真。兄弟一家です!

BAGALUR(7/6)

BAGALURにある養蚕農家(7/6)への訪問記録です。

BAGALUR担当のCPは「卵に関する研究者」です。普段はオフィスで研究がメインで外に出る機会はほぼないと聞いていたので、Hindupurへの訪問が多少刺激になったのでしょうか。

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Rearing house外観

写真の調子が悪く撮り忘れ…この日は合計3人にヒアリングをしています。

ちなみにヒアリングした養蚕農家の一人はアンドラプラデシュ州(AP州)から来た農家でした。

どの農家さんたちも忙しい時期は日雇い労働者を雇っています。ヒアリングをしてきて、男性は400Rs/1日・女性は250Rs/1日が平均ぐらい。この格差は一体なんだろう。

ヒアリングをした農家の一人は「気候」と「卵」について問題があると指摘をしました。

気候が不安定な時期(4月と5月は猛暑。12月から2月は寒さ。)は収穫の回数も減り、カイコの病気も発生する。それで「気候」と「卵」っていう問題点が出てきたのかと思われます。対応策も「暑い時は水をまいて気温を下げる。逆に寒い時は水をまいて湿度を上げて気温を保つ。」っていう方法しかとっていない、できないとのこと。

振り返り

クラスターに訪問して養蚕農家へヒアリングをしての振り返り。

  • BERIGAIで聞いた3つの問題点の多くは「水」「電気」「労働力」。
    →どれも具体的ではなく抽象的で漠然としていたために質問の改善が必要。
  • 「頭が痛い」という健康被害?を訴える農家がいた。
    →Disinfection専用のマスクを使用しないため?の影響。スカーフやタオルで代用している。そもそも適切に代替品を使ってるのか気になった。
  • 借金を抱えている農家が多く見られた。
    →BERIGAIで多く見られた。BAGALURにもいた。月々返済はしている。
  • Ankushや鎌などが整理されてなく適当な場所に放置されている。
    →5S3定イケるかも。
  • 日雇い労働者が他の仕事に流出してしまっている。給料の問題。
    →所得や自給率が上がれば改善できるかも。
  • SHGの存在を知らない。→説明をしたら興味は持つ。SHGのアドバンテージを説明する機会やワークショップを開いたら効果的かも。
  • 思っていた以上に1日の労働時間に余裕がない。→兼業する余裕ない。
  • Drop irrigationとFlood irrigationの違いがわからない→勉強する必要あり。

うーん…

今はとにかく一つでも多くの農家にヒアリングをしたい、でも闇雲に農家を訪問して…質問して…それで「共通項」となる問題が発見できるのだろうかなって思います。

「養蚕農家をとりあえずヒアリングしてから考えよう!農家からまずは問題点やニーズを引き出さないと!」じゃダメなのかもしれない。

問題を予想しておき、利用出来る資源やSHGの利点を把握して養蚕農家に提案できる状態にしておかないと…自分がやりたいと思っていることにつながらない。どんなSHGを作りたいのか、どんな問題に向かってアプローチさせるのか、グループの規模はどれくらいか、どのようなリソースやスキームを利用していくのか。実現できるかできないかは別として自分で考えをもってやらないと。

任地近隣にあるNGOも今調査しているのでうまく利用出来るNGOが見つかればと思います。

自分が2年間でやりたいと思っていることを実現させるにはとりあえずまだまだです。

では。

Today’s song

「Just A Dream」Nelly

記事を書いている人


名前:あらちゃん
年齢:28歳
出身地:静岡県
静岡県立大学国際関係学部卒。若者支援団体「若者エンパワメント委員会(YEC)」OB。エンパワメントの重要性を認識。
卒業後は人材派遣会社(東証一部上場)にて、製造工場での現場研修の後、営業・採用・労務管理として3年間勤務。青年海外協力隊へ応募し登録から合格へ。27年度3次隊。駒ヶ根訓練所。インドにて養蚕普及活動に携わる予定。

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