ワナッカム!
今、南インドの都市ベンガルールでは暴動が起きています。
原因はカルナタカ州からタミルナードゥ州を通っているカーヴィリ川の水を巡る問題です。
カーヴィリ川はカルナタカ州とタミルナードゥ州どちらにとっても生活・農業・発電のための貴重な水資源です。
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暴動の発端と現在(9/17)までの動向
暴動の発端は9月5日。
最高裁がカルナタカ州に対し1日424,755ℓの水(15,000 cusecs of water each day)を10日間にわたりタミルナードゥ州に供給するという評決を言い渡しました。このカルナタカ州にとって「不服な」決定に対し、プロカンナダ主義者(pro-Kannada activists)や農家がカルナタカ州を中心に各地で主要道路の封鎖やタミルナードゥ州首相の旗を燃やすなどのデモが発生。その後も様々なグループに火種が拡散し抗議活動は続きます。
9月12日には、デモ参加者により「タミルナードゥ州」のナンバーが入った車がターゲットになり燃やされるなどの事態が発生。
この行為は、同日に最高裁がカルナタカ州政府の約42万ℓの水の供給量を約28万ℓ(10,000 cusecs of water)まで減らすという要求を取り下げたこと、それどころか約34万ℓ(12,000 cusecs of water)の水の供給を9月20日まで継続することを要求したことで、デモグループの火に油を注いだ形となってしまいました。
※1日あたりの水供給量は引き下がったけど、期間が延びたために総供給量は上昇…
9月14日にはベンガルールの16エリア全てに外出禁止令が発表され、また一方で4人以上の集会を禁止する「Sec144」が命じられています。「Sec144」は現時点(9月17日)で9月25日まで継続との発表が出ています。
9月16日。今度はタミルナードゥ州側のグループが、カルナタカ州に対し、最高裁で下された水供給に対する評決を要求するbandh(封鎖タイプのストライキ)を決行しています。
徐々にベンガルールや周辺地域も落ち着きは取り戻していますが、まだまだ油断はできない状態。
日本のYahooニュースでもまとめられています。
※記事についてはTravelWatch-Indiaからの情報を引用してまとめました。
根が深い問題…
Yahooニュースの記事にも書いてあるように「カーヴィリ川」を巡るカルナタカ州とタミルナードゥ州の問題は1800年代から続く問題です。
そしてこれに関する争いもインドに5年近く住む友人曰く毎年あるそうです。ただ今年のような事態を経験したのは初めてとのこと…
この争いの歴史が気になる方は以下のサイトをどうぞ。
『インドの水問題』:サンチャイ☆ブログ(संचै पत्र)
周囲で起きた出来事や将来設計に向けた考えやひらめきなどを整理しておくために作ってみました。
Kaveri River water dispute – Wikipedia, the free encyclopedia
The sharing of waters of the Cauvery river has been the source of a serious conflict between the two Indian states of Tamil Nadu and Karnataka. The genesis of this conflict rests in two agreements in 1892 and 1924 between the erstwhile Madras Presidency and Princely State of Mysore.
今後の動向と学び
情報によると9/20に最高裁がこの問題について再度決定を下すようです。
それによって動向が良かれ悪かれまた変化していくんでしょう…
日本ではどの程度報道されている問題かはわかりません。
私も南インドに住むことがなければ報道されたとしても気にもとめなかったでしょう。ただこうした状況に巻き込まれて・体験して感じたことは、
- 自分が住んでいる地域(または周辺地域)を知る
- 情報収集を習慣にする
- 安全が約束されていないことを認識する
この3点でしょうか。特に自分が住んでいる地域(周辺地域)を知ること。インドではなくて「インド タミルナードゥ州 カルナタカ州」ってこと。
デモが発生したからこそ「カーヴィリ川」を巡る問題があることを知りました。でもこれじゃダメですよね?事後対応ではなく事前対応。起こって巻き込まれてからじゃ遅いって実感しました。
不穏な空気を察知できるようになりたいものです。
まずは早く今の状態が「いつも通り」になりますように…
※州ボーダーに近づけない+CPがベンガルールからでれないために活動できてないんですわ…
Today’s song
「Yellow」Coldplay