ワナッカム!
インドタミルナードゥ州ホスールにて養蚕農家への知識・技術普及活動に取り組んでます、あらちゃん(@kazuuuyama)です。
日本にいる家族、世界各地で活動している協力隊仲間に送ったポストカード。
そのポストカードから生まれた小さな奇跡。
インドからほっこりするお話、お届けします。
Contents
1枚のポストカードから生まれた話
ある日のこと。
日本にいる家族と世界各地で活動している協力隊仲間にポストカードを送りました。
日本へのポストカードはともかく、協力隊仲間がいる国は名前を言っても受付のおばちゃんは「???」って反応…
携帯片手に国の名前を見せながら料金を調べてもらいました(笑)
「ちゃんと届きますように!」と願いを込めはしたけど…ちゃんと届くかどうかの不安は消えない。
「2ヶ月くらい経てばきっと誰かしらに届くだろう…まー日本から荷物届いたし最悪日本だけには届くかなー。」
なんて思いながら郵便局を出ました。
始まりのメッセージ
ポストカードを送ってから2週間ほどたったある日のこと。
私のFacebookに見知らぬ人からのメッセージが届きます。
「手違いであなたが友達に送ったポストカードがホスールに住む私(メッセージの送り主)へ届けられたよ。」
わざわざFacebookで(私のことを検索してまで)ポストカードが間違いで届けられたことを教えてくれた。なんてなんていい人なんだろう…
そう思った後。
私は何度も文章を見返しました。
「友達へのポストカードは私が(メッセージの送り主が)封筒に入れて送るよ。」
…え?
私の代わりに日本にいる友達へポストカードをわざわざ封筒に入れて送ってくれる、そんな親切なことやってくれる人いるのかインドに。
正直その瞬間は信じられませんでした。
でもすぐ後に、
送ろうとしている封筒の写真、
封筒に貼られた切手、
何より見たことも聞いたこともないポストカードに書かれていた日本の住所を見ながら写して書いた住所(私の字を見て書いたせいでちょいちょいスペルミスがある)が封筒に書かれているのを見て、
本当なんだってことがわかりました。
インドにはこんなに親切な人がいるのか!しかも私が住んでいる近くに!絶対直接会ってお礼を言わなきゃ!
そしてメッセージの送り主の方と会うことになりました。
Postcrossing Society of India
メッセージの送り主。その方は「Postcrossing Society of India」というNGOの創設者であるAkhir Kumarさんという方でした。
Urban Legend: Postcards from home – Message beyond boundaries
家族からのポストカードは、インドの国境を守る兵士として非常に厳しい環境にいたKumarさんにとって、家族を感じられるかけがえなのない瞬間であり、当時の彼はポストカードが届くことが待ちきれなかったそうです。
そんなポストカードへの思いもあって、リタイアした後に彼が設立したのNGOが「Postcrossing Society of India」です。
Postcards connecting the world – Postcrossing
Kumarさんに会うまで「Postcrossing(ポストクロッシング)」という言葉もシステムも知らなかった!
PostcrossingのメンバーであるKumarさんはポストカードを世界中へ送っていて、また世界中からポストカードを受けとってます。
彼の家には世界中から届けられたポストカードが本当にたくさんありました!
NGOの活動として彼が大好きなポストクロッシングの普及、ポストクロッシングによる国際交流、ポストカードを通じての教育活動などに取り組んでいるそうです。
1枚のポストカードのおかげでこんな素敵なシステムとNGOを知ることができ、とっても親切な人にも出会うことができました!
小さな奇跡の正体
インドの僻地で生まれたこの小さな奇跡。
毎日たくさんのポストカードが世界中からKumarさんの元へと届けられ、そのたくさんのポストカードに私の送った一枚のポストカードがなぜか紛れてしまったことからこの話は生まれた…って思う。小さな奇跡の正体をちょっと考えてみた。
私の送ったポストカードには私の住所(Hosurという文字)が書いてある。
KumarさんはHosurに住んでいて、毎日彼の元にはたくさんのポストカードが届けられる。
もちろん彼に送られているポストカードにも彼の住所(Hosur)が書かれていて、ポストカードの仕分けは手作業で行われている…
ここからはあくまで想像の話。
という感じかな?笑
もしも私がポストカードを送っていなければ、
もしも私の住む場所にたくさんのポストカードが毎日届けられていなければ、
もしも私のポストカードがKumarさんの家に届けられていなければ、
もしも彼がポストクロッシングをしていなければ、
もしも彼が郵便局へポストカードをそのまま返していたら…
たくさんの「もしも(偶然)」が重なって起こった今回の話。
誤って届けられたポストカード。行き先は自分とは違う国。
送り主になんとか連絡をとり誤ってポストカードが届けられたことを伝え、
「このカードがちゃんと届けられなかったら送り主もその相手も悲しむだろう」と自発的な行動でポストカードを封筒に詰め相手へと送る。
お礼をしたいと言っている送り主を、むしろゲストとして家へと招き、もてなし一切の見返りも求めない。
同じことができますか?
インドの人口は日本の10倍以上。きっと嫌な人も10倍以上。でもいい人も10倍以上。
そんなことが実感できた、インドに来てから一番ほっこり感動の出来事でした!
では。
Song of the day
「Shape of You」Ed Sheeran